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2026-03-16

1400年の眠りから覚めた「神品」:欧陽詢が親友に捧げた最晩年の絶筆

2026-03-17



 

 

書道を志す者なら誰もが一度は手本にする「欧楷(おうがい:欧陽詢の楷書)」。その創始者である初唐の巨匠・欧陽詢(おうようじゅん)の評価を塗り替えるような、驚くべき作品が現代に蘇りました。
 
2011年前後、陝西省西安市の郊外で大量の唐代墓志銘が発掘されました。その中でも、書道家や研究者たちが「あの『九成宮醴泉銘』をも凌ぐ」と熱狂したのが、今回ご紹介する『李誉墓志(りよぼし)』です
 
 
1. 「究極の友情」が生んだ、人生最後の1ページ
 
この墓志の主である李誉は、かつて南朝の陳から唐へと仕えた将軍であり、欧陽詢とは無二の親友の間柄でした。
 
驚くべきは、この書が書かれたタイミングです。欧陽詢が人生の最後の一年に、亡き親友のためにその筆を執ったのです。晩年の欧陽詢が培った技術のすべて、そして友への深い追悼の情が、一文字一文字に凝縮されています。まさに炉火純青の境地に達した絶筆といえます。
 
2. なぜ『九成宮』より「芸術性が高い」と言われるのか?
 
欧陽詢の代表作といえば『九成宮碑』ですが、本作との違いはどこにあるのでしょうか。
 
  • 『九成宮碑』の制約: 皇帝の命(奉敕)によって書かれた「規範的な文字」であるため、芸術性が平正さの中に隠されています。そのため、初心者が安易に学ぶと生命力のない「美術文字」に陥りやすいという罠がありました
 
  • 『李誉墓志』の自由: 親友のために書かれた本作は、欧陽詢特有の「険絶(けんぜつ/スリルある均衡)」な特性が遺憾なく発揮されています。その変化の精巧さは『九成宮』に勝り、険絶な美しさは中期の傑作『皇甫誕碑(こうほたんひ)』をも上回ります
 
いわば、『九成宮』が「最も格式高い正装」なら、『李誉墓志』は「極限まで洗練された、魂の叫び」なのです。
 
 
3. 初学者こそ、この「地下からの贈り物」を見るべき理由
 
これまで欧陽詢の書を学ぶ際の大きな悩みは、石碑が長い年月の風雨にさらされ、文字が剥落・摩滅していることでした。
 
しかし、この『李誉墓志』は常年地中に埋もれていたため、風雨による浸食を免れています。
 
  • 驚異の保存状態: 文字の角(字口)が昨日のことのように鮮明で、初学者にとって非常に学びやすい状態です
 
  • 拡大に耐える美: 小楷(小さな文字)でありながら、無限に拡大してもその構造は崩れず、大きく引き伸ばして臨摹することで、さらなる奥深さを味わえます
 
 
結び:現代に蘇った「欧体」の巨大な宝庫
 
近年出土した『李誉墓志』、そして同時に言及される『丘師墓志』や『翟天徳墓志』などは、宋代以降の誰も及ばないほどの高みにあり、現代の欧楷ファンにとって見逃せない「欧体の宝庫」です。
 
もしあなたが、単なる綺麗な文字ではなく、1400年前の巨匠が到達した「高古で老練な真実の書」に触れたいと願うなら、この墓志こそが最良の指針となるはずです。
 
 

 
「この『至宝』を、あなた自身の手元に」
 
本記事でご紹介した『李誉墓志』をはじめ、『丘師墓志』や『翟天徳墓志』など、まさに「欧体の巨大な宝庫」を網羅した決定版、『欧体書風小楷墓誌集萃』がついに登場しました。
 
1400年前の地中から目覚めたばかりの鮮明な筆跡を、学びやすい小楷サイズで忠実に収録。拡大しても決して崩れない、欧陽詢が到達した「険絶の美」の細部まで、心ゆくまで臨摹できる一冊です。
 
「綺麗なだけの文字」を卒業し、本物の欧楷を極めたい。そんな志を持つ方々のバイブルとして、ぜひ手元に置いていただきたい逸品です。
 
現在、光和書房の公式ホームページにて販売中ですので、ぜひチェックしてみてください!
 
 
 

 
 

拓本・法帖・中国書画・掛軸、積極買取中|光和書房

 

光和書房では、書籍だけでなく、拓本・法帖・中国書画・掛軸・文房四宝(筆・墨・硯・紙)の買取にも力を入れております。

近年、中国美術や書道文化に対する国内外からの関心が高まる中、
特に明清以降の書画作品や、拓本・法帖、老舗墨屋・製硯所による逸品、手彫りの印材や印譜などは、
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